「うわー」と相当な大声で叫んでしまった。自由闊達。そんなイメージのはずのジーンズ姿は、粗野でぐずぐずのだらしない正真正銘の「おばさん」であった。ゆとりを追求した大きめのサイズは、これがあと20歳くらい若かったならば「可愛らしい」となっただろう。ところが私の目に飛びこんできたのは、衰えた肉体をさらに弛緩させているだけの野暮ったい姿。大好きなローファーもジーンズにうち負けてやたら貧相に見える。私は自分の選択の大いなる過ちに完璧にぶちのめされた。その瞬間を境に私はジーンズに終止符を打った。私は二度とジーンズははかない。と、決心してどれほど経つただろうか。もうやめようと思えば思うほど、禁じられた恋のように、その思慕の念はいよいよ深く強く燃え立つばかり。私はこんなにもジーンズが好きだったのか。さいなむ未練に私はまたもや考えこんだ。探してみよう。今の体型でも決して見苦しくなくはけるジーンズを。自分に素直になるのだ。なんてたいそうな翻意をし、ジーンズ探しを始めた。